眼科で泣きました。

 私信ですが、M生さん、貴ブログでのご返信をありがとうございました。お忙しい中、かえって申し訳なかったです。『鬼滅の刃』、ちょっとご興味をお持ちいただけたとのことで、嬉しい半面、なんだかお恥ずかしいです(^-^;)。

弁当11個が必要な煉獄さん ところで先日、くだんの週刊少年ジャンプを置いてある眼科にて、「今日こそは!」と思って3週間分ほどジャンプをががーっと(鬼滅だけ)読みました。結果、待合室で声を出さずに泣く始末となってしまいました。刀鍛冶の里での戦いから帰還して療養中の炭治郎くんが、研ぎ終わってきちんとこしらえをされた日輪刀を受け取ったシーン。「煉獄さんの鍔だ!」と声を上げたときの炭次郎の顔! そして次のコマで、鍔に話しかける炭次郎の顔! 今書いていても、思い出し泣きしてしまったですよ……。そう、もう私は鬼滅に関しては、コミックスを繰り返し読む段階を通り越し、思い出し泣きをしてしまう段階に入ってしまっております。脳内でセルフ再生され、そのたびに涙が出る。特に8巻。もはやコミックス本体要らないレベルになっています。だってコマ割りも画もセリフも覚えてんだもん……。その上で、あのときのあのひとの表情は、こういうことを思ってたのかなあ、どうなのかなあといろいろ想像して、また涙が……(笑)。基本的に鬼滅の刃は、あまり地の文(ナレーション的なやつ)やモノローグやセリフで説明しきらずに、言葉がぎゅっとまとめられている感じなので、非常に多くの部分が読者の受け取り方に委ねられていて、ものすごく想像の余地がある作品だなと思います。だから読むたびに発見があったり、自分の感想がアップデートされていくような気がして、私なんかは何度読んでも飽きないなと感じます。

 ただし、ちょっと独特な空気のある作品かなとも思いますし、やはり読むひとによって合う合わないというのは当然あると思います。ですが、マニアックかというと、そういうふうには感じないですし、読むひとを選ぶというふうにも感じないです。不思議な大衆性もある……。だけど、従来の作品にたとえて「〇〇が好きなひとだったらハマるかも~」とも言えないような気がします。似ているテイストの作品が、ちょっと思いつかないです(いや、そんなに漫画を知らない私が言うことなのであてにならないですが)。なので、肌が合うひとにはものすごく合うだろうし、そうでもないひとにはそうでもない作品でしょうし、まあ……、何はともあれ肌が合うひとにはこの作品に是非出会ってほしいなとも思える作品です(笑)。肌が合う方には、ものすごく楽しめる作品だろうと思います。元気出ますよ。いっぱい泣きたくなるシーンもあるかもしれませんが、とにかく元気出ます。

 元気出るといいつつ、とにかく暗くグロテスクな1巻。暗い話がお好みでない方には、おそらくかなりとっつきにくい雰囲気だろうと思います。あと、「ジャンプに載せるには結構シビアな話だな、おい」と、ちょっと怖くなるレベルの始まり方です。これがあとで化けます(?)。びっくりするほど化けるので、ここで嫌にならなかった方には是非読み進んでみてほしいです(^-^;)。1巻、2巻が重苦しいですが、3巻でガーンと化けますので、できれば一気に3巻まで読んでみてほしいです(笑)。あと、にぎやかになるのが4巻、華やかになる上に、かまぼこ隊の笑いの才能が爆発するのが6巻(6巻は、本当に楽しいです)、柱と一緒に本格的に行動し始めるのが7巻、かまぼこ隊の精神的なターニングポイントを描いているのが8巻(あと読者も、この作品では結構深掘りして描かれた重要そうなキャラでも急に大変なことになるということを知らしめられた巻ですね)……とつづきます。

 少年の成長物語としての面も大きい作品だとは思いますが、その手の成長物語に結構ありがちな説教くささはほぼないといって差し支えない作品だとも思います。表面だけとらえれば説教ともとれる言葉でも、主人公の性格のおかげで、読者にその説教くささを感じさせていないと思います。話の展開も速く(特に3巻から)、冗長さがないというのも、私の好きなポイントです。絵は割と独特ですが、私は大好きです。是非、この作品とお肌が合う方にめぐりあっていただけるといいなと思います。