たいりょうのさだこがあらわれた!

 ホラーとコントって、紙一重なんですよね、やっぱり(やっぱり?)。ホラー小説もホラー映画も好きな私ですが、ホラーは笑いの要素があってナンボ、でも、笑えすぎるのも困る……。最近観た『貞子』と『POV〜呪われたフィルム』は、その「笑えすぎるクチ」のものでしたが、特に『貞子』! ニコニコ動画で配信されているという「呪いの動画」がそもそも「プフー」と笑ってしまうような中2なやつで、それを観たひとの前に、PC画面からトラックのコンテナから、いろんなところから大量の貞子が現れ、しまいにはカマドウマみたいな格好の貞子(じゃないな、貞子の餌食になった女性たちか)がごそごそごそごそしだし、もう、どんだけ笑かしたいんだよ! と突っ込みまくりでした。これは、アレか。3Dで観てナンボか! 貞子飛び出してきてナンボか。でも飛び出してこられてもなー……、髪の毛と手がもにょーんって来るだけだろうしなあ……。

マタンゴ [DVD] どうせ笑えるホラーなら、『吸血鬼ゴケミドロ』とか『マタンゴ』とかみたいな、不気味さが快い映画の方がいいです。『美女と液体人間』みたいな、大人なホラーもいい。ただ若い女性がキャーキャー逃げているだけのだと、何か観終わったあとも「収穫」が全然なくて、ホラーを観た感じがしないです。ホラーは、人間の「悪意」と「憎しみ」と「悲しみ」があるか(観ているものが、身につまされるような)、或いはそれら全部が存在しない「不気味さ」があるか、そのどちらかじゃないと苦しいよなあ……という気がします。